
地理と気候
雪山から砂漠、そして緑豊かな森林まで。
日本の約4.4倍の国土が織りなす多様な自然。
イランの国土面積は約164万8000平方キロメートルで、日本の約4.4倍に相当します。 一般的に「砂漠の国」というイメージが強いですが、実際には標高5000メートルを超える山脈、亜熱帯の森林、広大な高原など、極めて変化に富んだ地形と気候を持っています。

国土の中央部から東部にかけて広がる、キャヴィール砂漠やルート砂漠などの乾燥地帯。 夏は酷暑となり、ルート砂漠では地表温度70度以上を記録することもあります。 人口は希薄ですが、オアシス都市が点在しています。

北部のアルボルズ山脈と西部のザグロス山脈が国土を縁取っています。 最高峰ダマヴァンド山(5610m)は万年雪を頂き、スキーリゾートとしても有名です。 冬は厳寒で、首都テヘランでも降雪があります。

北部のカスピ海沿岸部は、年間降水量が多く、湿潤で緑豊かな森林が広がっています。 米や茶の栽培が盛んで、イランの他の地域とは全く異なる景観を見せます。 多くのイラン人にとっての避暑地・リゾート地です。

南部のペルシャ湾およびオマーン湾沿岸は、高温多湿な気候です。 夏は非常に蒸し暑くなりますが、冬は温暖で過ごしやすいです。 石油・天然ガス資源が豊富で、戦略的に重要な地域です。
深刻化する環境問題
水不足と干ばつ
気候変動による降水量の減少と、無計画なダム建設や地下水の過剰汲み上げにより、深刻な水不足に直面しています。 かつて中東最大級の塩湖だったウルミア湖は、面積の大部分が干上がってしまいました。 水不足は農業に打撃を与え、農村部から都市部への人口流出や、抗議デモの原因ともなっています。
大気汚染
テヘランなどの大都市では、地形的な要因(盆地)に加え、古い車両の排気ガスや低品質なガソリンの使用、工場の排煙などにより、大気汚染が深刻な健康被害を引き起こしています。 冬場にはスモッグにより学校が休校になることも珍しくありません。